【Qluck宴】のパワフルなエネルギーにノックアウトされよう!

 シェイクスピア劇からお笑い、CM、映画などで活躍する女性3人が組んだユニット、【Qluck宴(クラクエン)】。その旗揚げ公演『ストッキング』が間もなく幕を開ける。
 作品タイトルにちなみ、グンゼ株式会社提供のストッキングがプレゼントされる回もあるというこの公演。“3人の女”と“ストッキング”――何やら刺激的な香りがするが…?
2006/9/23 インタビュアー・文責:さたけれいこ(サブテレニアン)  撮影・編集:鏡田伸幸 監修:北原登志喜

【Qluck宴】は主浜はるみさん、諏訪友紀さん、タリンさんの3人のユニット。役者としてはそれぞれにキャリアのある方々です。そんな3人に【タテヨコ企画】の好宮温太郎さんを客演に迎えての、今回の旗揚げ公演。チラシやホームページを見ると、楽しそうな雰囲気満載!でも、Qluck宴ってどんな芝居をするの?――その実態は分からないことだらけ。そこで、今回は構成、演出、出演もされるタリンさんにお話をうかがいました。
マンションの一室が舞台。小さなスペースなのでお客さんとの距離が近い!友達の家に遊びに来た感覚で見てください、とのこと。

本番の日までもつかな?と心配されているぞうさん。かなりいたぶられているのか?

演技を見守るタリンさん。「代表という立場は初めてなので、人に頭を下げることを覚えました」とのこと。

気持ちの通じ合っている3人のやりとりは小気味いい。

主浜はるみさんとストッキング。「脱いだストッキングはごみ箱に入れてよね!」

 タリンさんは本格的な演出は初めてとのことですが、語りや朗読など、自らも出演する企画をいくつもやっておられます。小さいスペースが好きで、15人くらいしか入らない飲み屋さんで、カウンターの中に相手役、タリンさんはカウンターにお客さんと並びで座って芝居をしたこともあるそうです!
 そんなタリンさんに3人の出会いについてうかがうと、意外にも最近知り合ったばかりだとか。稽古場では、まるで旧友のようにぽんぽんと気のおけない会話が交わされていたのですが――。


タリン
 諏訪友紀(以下諏訪)とは【しずくまち♭】で一度共演しています。その時に、「すばらしい女優だ、ぜひ一度一緒に芝居をしたい!」と思ったんです。そうしたら諏訪が「もう一人呼びたい人がいる」と言い出して、それが主浜はるみ(以下はるみ)です。私は「私に合うと思ったら連れて来て。でも、その時に本を3冊持ってきてほしい」と言ったんです。好みや傾向、自分が今何を欲しているのか、ということが分かると思ったから。会ってみたら意気投合で、その日のうちにはもう「稽古場をおさえよう!」という話になってました。彼女たちのことは、「何をやっても耐えられるヤツだ」って思ってます。そこはすごく信頼してますね。

 でも実はタリンさんとはるみさん、初顔合わせ以前に鈴江俊郎さん(劇団八時半主宰)のワークショップでニアミスしていたそう。縁はあったんですね。
 さて、そうして動き出した【Qluck宴】。今回の作品『ストッキング』は近藤ようこさんの漫画『ルームメイツ』に触発されているとのことです。


タリン
 私は『ヴァニティーズ』がやりたかったんです。でも、あの作品はアメリカの風俗を描いているんですよね。チアガールのシーンから始まるし(笑)。そしたら、はるみが『ルームメイツ』という漫画をもってきたんです。共通点は”女3人の話”というところ。老女3人が一緒に暮らす、という話なんですけど、それを読んで、「あ、これだな」って思いました。忘れたくない何かをとどめておきたい、一瞬のきらめきを覚えていたい、というところとか……はるみと私はかなり感じるものが似ているんです。


 その「これだな」という感覚に寄せて、【演劇集団円】の研究所で学んだタリンさんは、自身の演劇観も交えたこんな話をして下さいました。


タリン
 今の小劇場って、クールだったり、ドライだったり、鋭い切り口があるものが人気があるような気がするんですけど、私はお芝居を見てあったかくなりたいし、人生ってすばらしいよね、て思いたいんです。だから自分はそういうものを作ろう、と。『わが町』(ソーントン・ワイルダー作)第三幕に、幽霊になったエミリーが、台所で背を向けるお母さんに話しかけるシーンがあるんですけど、そこで表現されている「今、この瞬間を大事にしたい、味わいつくしたい」という衝動が(自分の)原動力みたいになってます。日常の一瞬一瞬は流れてしまい、憶えていることはできないけど、芝居だったらそれをとどめておくことができる――そう思うんです。

 なお、今回の脚本も3人で作ったとか。そこで本の成り立ちについて伺うと、とてもおもしろそう! でも、そこには膨大な時間がかかっているそうです。。
ドレスを着たタリンさん。やはり、華です。

「ほんとの私は役と全然違って、男まさりなんです」と。主婦を演じる諏訪友紀さんがぽろり。

唯一の男優好宮温太郎さん。「3人に合う男優をイメージするのはとても難しかった」とタリンさん。「彼の出てくるシーンは、とってもいいです。期待してください」

役者さんの演技に思わず笑みがこぼれるタリンさん。「おもしろがる」ということが彼女のキーワードの一つのようです。

産みの苦しみ。でも、それに勝る好奇心や情熱が彼女たちの原動力なのです。

タリン
 『ヴァニティーズ』の本の稽古から始まって、そのエッセンスを抜き出しながらいろんなことを話し合いました。構成は私が作って、後はエチュードです。私たちの会話をはるみがパソコンで文字にしていく、という作業を延々とやりました。ありとあらゆる場所で…深夜のスパゲティ屋さんでもパソコンをはさんで会話して。はるみが日常の言語感覚に優れてるんですよ。あ、諏訪の名誉のために言っておくと、彼女は大切な女優なんですよ。【Qluck宴】は、私が代表で、はるみが主宰、諏訪は主演女優です!


 そんな産みの苦しみを経て、ついに形になった『ストッキング』。タリンさんはかなり女性に対するこだわりがあるのかな?と思って聞いてみると、意外にも女性嫌いとのこと(!?)。【Qluck宴】も、「おもしろいヤツと組みたかった、それは男でも女でもよかった」そうです。でも、今回の作品は、やはり女性に対するメッセージが強くあるとのこと。

タリン
 女性って、「女性だから」という見方をされてしぼんでる人がすごく多いと思います。もっともっと、自分が信じさえすれば輝けるはずなのに。だからって「勇気づけたい」ということではないんです。演劇ってそんなに偉いものじゃないので。さらけ出して、「こんなもんだよ」ってとこを見てほしいですね。女性だと綺麗さを要求されがちですけど…そこを逆手にとって、チラシも『チャーリーズエンジェル』を意識してみました! でも、「本当はこんなもんだよ」って言いたいんです。男性の方には…こんな女でもかわいいな、って思ってほしいですね。
 タリンさんは、【Qluck宴】が「ゆるやかな役者たちの交流ができる場所であってほしい」と言います。他所でやってきたことをフィードバックできる、家のような場所であってほしい、と。
 「大変なことも多いでしょう?」とうかがうと、「違う人間が集まってやりとりをするのはかなりエネルギーがいるが、とても魅力的」とのこと。――全くその通り、温かいエネルギーが伝わってくる稽古場でした。

Qluck宴vol.1『ストッキング』
10月5日(木)〜10月10日(火)
東中野RAFT
『ストッキング』公演情報


出演
主浜はるみ  
諏訪友紀  
タリン 
好宮温太郎(タテヨコ企画)

稽古場の大きな画像をご覧になりたい方は、こちら

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