今度の三年物語は歴史物!
       ――新作『蓬来童子』公演迫る

 【三年物語】は元【Cretan Crete】主宰の藤本浩多郎氏(藤本浩太郎 改め)が立ち上げた劇団だ。
 その名の通り、活動期間は3年間限定。そんな彼らのラスト1年、その幕開けを告げる作品が、間もなく公開される。
 日本各地に残る徐福伝説に材を取り、ファンタジー色豊かな作品に仕上げた歴史エンターテイメント
  ――三年物語5th Story 『蓬来童子』は7月6日より、シアターグリーン エリア171にて。
2006/6/24 インタビュアー・文責:北原 登志喜  撮影・編集:鏡田伸幸
 3年でシアターサンモール(客席最大294)を埋められるほどの劇団に成長しようと、2004年に活動を開始した【三年物語】。サンモールの客席を埋める――単発ならいざ知らず、普通に5〜7公演を行えば、動員は1,500〜2,000人に及ぶ。小劇場事情に明るい人ならお分かりだろうが、この数字はかなり高いハードルだ。なぜ、こうした高い目標を、しかも期限を設定した上で掲げたのだろうか?
都内某所の公民館の一室。アクション満載の芝居にこの広さがありがたい。穴場だ。


逃げる者と追う者と――? 走る、格闘する。のっけから運動量の多いシーンの稽古が続く。


藤本
 劇団って、続けようと思えばいつまでも続けられてしまう。やめなければいいだけですからね。でも、僕たち芝居をやっている人間って基本的にニートなんで(笑)、目標を持って引き締めてやらないと成果が出ないんですよ。3年は短いようだけど、例えば中学に入ってから卒業するまでの期間と一緒ですから、かなり勉強できるはずの時間なんですね。その時間を、ダラダラと過ごすのではなく、具体的なビジョンを持ってやりたい――そういうことなんです。特に僕たちは30代の人間が中心メンバーになって集まってるので、もう後が無いですからね(笑)。

 例えば3年で動員2,000人というと【カムカム・ミニキーナ】がちょうどそんな感じだったという。そうした先達に近づけたなら、その先の可能性も見えてくるのでは――そんな期待を込めて、敢えて高い目標を自らに課した。その3年ももう2年が終わろうとしているが、現在までの成果を藤本氏はこう語った。

藤本
 
悪くはないと思ってます。前回公演の動員が1,000人に届くかどうか。もちろん更に飛躍は必要ですけど、0から始めた劇団に、1年半で1,000人ものお客さんが観に来て下さった。これはこれで大変なことだと思いますからね。役者もお尻に火がついた感じでやってくれているので、劇団としてもしっかり成長できてますしね。


「ざっくりとでいいからやってみて」――稽古はまだ立ち稽古に入って間もない段階。ラフ・スケッチを描いては消すような作業が続く。

大まかな立ち居地を決めては流す。ここも派手なアクションシーン。役者の手には木刀も…。

一転して、静かな狂気漂うシーンの稽古が挿入される。馬渡直子さんが口にする“死”という言葉に、ただならぬものを感じるが――?

三年物語の芝居はスピード感も持ち味の一つ。そのスピード感を出すために、ときに会話部分を、細かいカットを繋ぐ様に編集する。

小原正大さん=徐福、宙を飛んでます。苛められている風情が妙に似合う――?

死ねないこと、生きること――【三年物語】がにぎやかに、力強く描くアクション・ファンタジー『蓬来童子』。乞うご期待!

 ちなみに、【三年物語】は「飲み会嫌い」とか。理由は、そんなお金があったら公演にかけたい、ということらしい。こんなところにも、劇団が一丸となって結果を出そうとしている様子が窺える。そんな彼らが、いよいよ目標に向けてスパートをかけはじめるこの夏。ラスト・イヤーの幕開けを飾る新作、『蓬来童子』とは――?

藤本
 始皇帝の時代に徐福という男がいたんですけど、彼は言ってみれば始皇帝を騙して、「不老不死の薬を蓬莱まで探しに行く」と言って国を出て、それっきり帰ってこなかった。その蓬莱とは日本のことだと言われているんですね。日本は当時、邪馬台国の時代ですけど、徐福の跡が九州から東へ東へと、点々と残っている。だから実は徐福が神武天皇だった、なんて説まであります。その徐福の話を基本に、不老不死というものを通して、生きるとは何か、命とは何かということを描きたいと思っています。少年漫画テイストで(笑)。
 見所は、とにかくアクションシーンが盛りだくさんなところ。マッスルとマッスルがガツンとぶつかる感じ満載で贈るエンターテイメントに仕上がると思います。


 3年経った先のことはまったく白紙、とにかく今の自分たちの芝居に全力を注ぐという彼らの意気込みを、この機会に是非、劇場で確かめてみては?




蓬来童子』

7月6日(木)〜7月10日(月)

池袋シアターグリーン エリア171
⇒詳細情報はこちら
出演
河崎新弥
川守田政宣
木村慎一
小原正大
桜木潤
馬渡直子
川上なつ美
斉藤優紀
二之宮亜弥
鎌田恵
小嶋マコト
三波誠・的場司
由田康二(東京プレイヤーズクラブ)

遥か東の海に
蓬莱・方丈・瀛洲という
三神山があり、
そこに仙人が住んでいるという。

天下統一を成し遂げた秦の始皇帝は、
不老不死の霊薬を探し求めた。

徐福は、霊薬を求め三神山へ、
と具申した。

二千年前の事である。

稽古場の大きな画像をご覧になりたい方は、こちら

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