舞台版『仁義なき戦い』、ついに始動!

昨年から一部で噂になっていた舞台版『仁義なき戦い』。この、『仁義なき戦い』フリーク注目の舞台がいよいよ本格的に動き出した。6月にはそのプロモーションを兼ねたプレ・イベントがZepp Tokyoで行われる。その名も『仁義なき戦い レッスル&ブラジルナイト』。プロレス、在日ブラジル人バンド(Tensais MC’s)、そしてブラジルの国技カポエイラをフューチャリングしたスペシャルイベントだ。
今回のTOPICでは、5月20日に行われたこのイベントの制作発表の模様をお届けする。
プロレスラー・ミュージシャン・そして演劇人が一堂に会した様子はまさしく壮観で、イベントへの、更にはその先の舞台への期待を大いに煽ってくれた。(東京・新高輪プリンスホテル 国際館パミールにて)

2005年6月9日、イベント当日の模様はこちら!
1974年、紀伊国屋ホールで一つの芝居が打たれた。企画・金子信雄、演出/脚本・深作欣二 福田善之の舞台版『仁義なき戦い』である。今なお根強いファンを持つ深作監督の傑作映画『仁義なき戦い』シリーズを舞台上で、ライヴで観せようという大胆な試みだった。
それから31年。今年、再び『仁義なき戦い』が舞台化される。
ただの再演ではない。今回は出演者をプロレスや空手の世界からも募り、大規模ライヴハウスを使ったダイナミックな芝居にするという。また、映画版『仁義なき戦い』及び『仁義なき戦い 広島死闘編』を再構成した内容でありながら、作品の根底を支えるものについても見直しが加えられる。今作の脚本に携わり、アクション監督も受け持つ井上誠吾氏は会見でこう話した。

「脚本家の笠原(和夫)さんも言ってますけど、深作監督の撮った『仁義なき戦い』には戦後期の圧倒的な貧困が背景にあった。だからこそあれだけ面白い作品になったと思うんです。今この作品をやるにあたって、その‘圧倒的な貧困’――すでに無くなったその‘貧困’に変わるものは何があるだろう?……それを共同脚本の神波史男さんと話し合った結果、‘差別’なんじゃないだろうかと考えました」

その‘差別’を浮きぼりにするために、今作では日系ブラジル人三世や中国人強制労働者三世など差別を受け続けてきた側の人間も複数登場する。プレ・イベント「レッスル&ブラジルナイト」の「ブラジル」とは、そこに繋がる意味も持つようだ。エンターテインメント性満載の作品ながら、基底には深いテーマ性を抱えた重厚な舞台になりそうである。

自身、深作欣二監督の作品に出演していた井上誠吾氏。「自分の中の深作監督への想いが紡(つむ)ぎ出されていくような作品になれば」と、亡き監督へのオマージュに相応しい舞台にすることを誓った
もちろん問題意識やプロレスの身体性だけでなく、演劇として楽しめる確かなつくりも見所になることは、生粋の演劇人・小林裕氏が演出を引き受けた時点で折り紙付だ。
今作を「非常に面白いたくらみ」と前置きして、小林氏は舞台版『仁義なき戦い』への意気込みをこう語った。

「見世物に偏るのではなく、かと言って純粋演劇のために格闘技を利用するのでもありません。心という透明な生と肉体とほとばしる汗と。嘘のない、精一杯のぎりぎりの人間のすがたを見せる舞台に仕立てていきたい。肉体のぎりぎりの接点と、魂のぎりぎりの接点を2つあわせて、もう1つ向こうの地平に何かを見る、そういう芝居にできればと思っています。違った目的で観客席に座る人たちにも深い感銘を与えたい」

この舞台版『仁義なき戦い』には演劇ファンだけではなく、プロレスファンをはじめ「違った目的」を持った様々な観客が、それぞれの期待を抱いて足を運ぶことだろう。その期待にどう応え、更にその期待をどう超えていくのか。演出家の言葉の端々にみなぎる自信に、楽しみは大きく膨らむ。

舞台版を演出する小林裕氏。「これを機に格闘技の勉強もしたい」と語ったが、すでに迫力では並み居るプロレスラーたちにも負けてない!?
演劇的コラボレーションの枠を超えた前代未聞のボーダーレス企画
――舞台版『仁義なき戦い』
この舞台が切り開こうとしている地平は広大で、一演劇ファンとして純粋に胸躍るものがある。この「たくらみ」にちょっとでも心惹かれた皆さんには、まずは6月のプレ・イベントを覗いてもらいたい。このイベント『仁義なき戦い レッスル&ブラジルナイト』では
舞台版『仁義なき戦い』の予告編も上演されるそうなので、プロレスファン・Tensais MC’sファンはもちろん、普段プロレスやブラジルと縁のない人でも大いに楽しめること請け合いだ。


「最高の殴り合い、蹴り合い。素晴らしいプロレスを見せます!」とイベントへの意気込みを語る、プロレスファンにはおなじみの金村キンタロー氏。独特のキャラクターとリップサービスで会場を盛り上げた


「俺らはプロレスしかできないので、最高の‘戦い’をお見せして、こういうイベントが今後も何回もできるようにしたい」――金村キンタロー氏の先制口撃にタジタジながらも、イベントへの自信をのぞかせたTAKAみちのく氏


アパッチプロレスの面々も、それぞれに熱い思いを語った。
「プロレスで盛り上げるのはもちろん。その上でカポエイラとも是非、手合わせをお願いしたい!」
……その異種格闘技戦は果たして実現するのか?


「僕らTensais MC’sは日本人とブラジル人がユニットを組んだバンド。今回のイベントでやろうとしていることは僕らがやっていることと近いと思った」と、イベントへの共感を口にするTensais MC’sのPay-ment(ペイメン)。自国の貧困と戦い、日本に来てからは日本の社会と戦うブラジル人たちとの出会いが自身の中でも「大きな改革になった」と熱く語った。彼らの力強いメッセージがイベントを更にヒートアップさせる!

[インフォメーション]
○ イベント『仁義なき戦いレッスル&ブラジルナイト』
日時   6月9日(木)・10日(金)   開場 18:00  開演 19:00
場所   Zepp Tokyo(東京お台場)
チケット 発売中 6000円(指定席)  4000円(スタンディング)
出演   天才’s(Tensais MC’s) (コンサート)
     カポエイラ ヘジョナオ ジャパン (カポエイラ)
     舞台版『仁義なき戦い』予告編  作:神波史男  演出:井上誠吾 (演劇)
     プロレス版『仁義なき戦い』  アパッチプロレス、K‐DOJO、金村キンタロー、TAKAみちのく(プロレス)
2005年6月9日、イベント当日の模様はこちら!


○ 舞台版『仁義なき戦い』
原作:深作欣二、笠原和夫
脚本:神波史男(女囚さそり、新仁義なき戦い、火宅の人、海燕ジョーの奇跡)
脚本/アクション監督:井上誠吾(極真会館城北支部統括本部長)
演出:小林裕
出演:プロレスラー(アパッチプロレス、K‐DOJO、RIKIPRO)、空手家(極真会館)、
   アクション俳優及びスタントマン、隈本吉成(日本人初のブラジルでの連続ドラマ出演)ほか  ――その他詳細未定
上演日程:
――未定

○ プロレス版『仁義なき戦い』
出場:アパッチプロレス、K‐DOJO、大日本プロレス他
9月21日 サッポロファクトリー
9月28日 新潟フェイズ
9月29日 名古屋市国際競技場 第3体育館


主催:株式会社キャッシュボックス 東京都中野区中野3−17−1−301
問い合せ:03−5385−8285  担当:井上

『仁義なき戦い』(東映・1973年公開)
戦後広島県下において実際におきた暴力団同士の壮絶な抗争。その抗争の中心人物・美能幸三(美能組元組長)の獄中手記を基に飯干晃一がものした同名ノンフィクションが原作になっている。非情なヤクザ社会の実態を、手持ちカメラの映像を駆使した斬新な手法でリアルに描写した深作欣二監督の金字塔。
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4 色褪せしない役者たちの名演技がむしろ新鮮
5 ほんとのヤクザ映画です。
5 人間の汚いところが細かく描かれている

2005/5/20 文責:北原登志喜 撮影・編集:鏡田伸幸

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