| BACK STAGE REPORT【東京ヴォードヴィルショー】 〜VS 本公演!竜馬の妻とその夫と愛人〜U‐40バージョン〜キャストA × B!〜 まいど豊 / 小林美江 / 大森ヒロシ インタビュー |
| 大森ヒロシ・小林美江・まいど豊――いずれも【東京ヴォードヴィルショー】ではお馴染みの中堅である。いわゆる“若手”に混じって今作を引っ張るその3氏に、U−40バージョンのあれこれを語ってもらった。なお、それぞれの配役は まいど豊:覚兵衛 (Aキャスト) 大森ヒロシ:覚兵衛(Bキャスト) 小林美江:おりょう(Aキャスト) ――それでは一部自主規制も入れながらの愉快なインタビュー、スタートです! |
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U−40 ――もう“若手”じゃない! |
| ―今回、“若手公演”ではなく“アンダー40バージョン”と銘打ってますけど……まいどさんは稽古に入ってから40歳になられたとか まいど ええ、去年の暮れに。だから決して若くないんですよ。大森さんなんて42だから、本当はアンダー40に出る資格は無いんだよね(笑) 大森 まぁまぁ。そこは“平均年齢40歳以下”ということで(笑)。だから名称もね、若手バージョンって言われるのは嫌だったんですよ。…実は5年前(2000年)にこの3人+1人で『竜馬の妻とその夫と愛人』をやったことがあるんですけど―― 小林 本多劇場での本公演(初演)のときです。昼間の、舞台が空いている日に1ステージだけ 大森 そのときが「若手バージョン」という形だったので、5年経ってもまた“若手バージョン”って言われるのは、やっぱり…ねぇ。それで名称も“U‐40バージョン”としました ―その年齢的にも、皆さんが稽古場をまとめて引っ張っていく立場にあると思いますが まいど やっぱり「自分たちがやらなくちゃいけない」っていう気持ちは強いですよね。その分、楽しくもありますけど。…一番驚いたのはね、僕が他の仕事で稽古に来れない日は稽古が休みになるということですよね。もうビックリ…「俺が出ないとやるところ無いんだ」って(笑) 大森 そりゃあ、覚兵衛がいなきゃねぇ |
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| 演じる人間が替われば、 感じ方も変わる |
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| ―今回、演じる上で一番難しいのは、演じる皆さん自身の中にある、先輩たちが演じた役のイメージを拭い去ることだと思うのですが 小林 だから私は、本公演はあんまり見なかったですね。5年前に一回やったときも、やる前には見ないようにしてました。やっぱり演じる人間が違うと役に対する感覚・感じ方も当然違うと思うので。…そうして自分の中にある程度イメージが出来ているので、今回の本公演を見ても「別の感じだな」と。かえって「私はここはこうしたい」ということが膨らんでいく感じでしたね。別の人間が演じれば、表現も違ってくるんだなって再確認したというか まいど 僕は本公演は稽古にも何回も来てます。で、5年前にやったときの自分は本公演そのままに近い形だったんですけど、でも今回、やっぱり見てて「違う」って感じることがあって。いざ自分がやってみるとね、「なぜB作さんはこのセリフをこう言ったのか」とか、B作さんが何気なくやっていた事にどういう意味があったのかが分かってくるんですよ。それで「なるほど、B作さんはやっぱりすごいな」って思うこともたくさんあるんだけど、それが分かるからこそ、「僕は違うやり方をしたい」っていう部分をよりはっきり感じることが今回できました。ただ、あまりに本公演を見すぎちゃってるんで、やっぱり怖さはありましたよね。同じになっちゃう怖さが。だからそのイメージを消すにはどうしたらいいんだろうと考えて、「もうこの際、いっぱい見てやれ」って。それで映画の『竜馬の〜』も改めて見直して…。おかげで「同じにはならないだろう」ということが更に見えてきたので、今はもう気にならなくなりました 小林 …大体、稽古場で山田さん(山田和也・演出)とやりとりしてると、「あっちを意識して」なんて正直考えていられないんですよ。今の稽古でのこと、山田さんとの勝負であったり相手役とのことに集中しているので、B組がどうとか本公演がどうだとかっていうことに、多分みんな気持ちが行かないと思いますよ。そんなことよりもいま、ここをどうしていくか――その楽しさに夢中なので 大森 ただね…長いこと本公演を見ていると、やっぱり“刷り込み”ってあるんですよ。場面の画(え)であったり動きであったりセリフの出方であったり、そういうのが全部入ってきて刷り込まれてしまう……それは嫌だったですよね。だから僕もあんまり本公演は見ないようにしてたなぁ まいど 刷り込まれちゃってる人、やっぱりいるもんね 大森 うん。で、そうなるとそこから抜け出るのが大変な作業になる 小林 節回しとかね、セリフの言い方とか、音楽みたいに耳が覚えちゃってるんですよね まいど 歌を歌うように、一つ一つ意味を捉えなくてもセリフが言えちゃう。それで芝居は流れちゃうんですけど……そうすると聞いてる方にだって何も引っかかってこないからね 大森 だからね、稽古やってて「このセリフはこう言う必要はないんだよな」とか「こう動く必要は無いんだよな」という発見があるんだよね。やっぱり、知らず知らずのうちに身体がそうしてしまっている。でも「あ、そうじゃなくてもいいんだな」ってのに気付いて、自分なりの表現をしたら、それをちゃんと山田さんが拾って下さる。だからもう全部お任せして、今は好きなようにやってるっていう感じですね |
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“若手”の中で思うこと |
| ―劇団の若い役者たちとの共同作業はいかがですか? 大森 …A組はまだいいよねぇ 小林 なに? なんで? 大森 いやほら、そっち2人は同期入団だし『あほんだらすけ』とかもあるし、長いこと一緒にやってきたじゃん。その2人がA組なわけだから―― まいど 2人だけじゃん(笑) 大森 でも4人の芝居だよ? しかも村田(一晃・虎蔵役)なんてそんなに絡んでこないし。だから、「いいなぁ。やりやすいだろうなぁ」って 小林 …っていうことは、B組は大変ってこと? まいど あれ? 若手批判?(笑) 大森 いやいやいや…でも俺、大変よ? 最初、どうしようかと思いましたからね。一緒に芝居したことが一度もないメンバーなので「こいつら、どういうことやってくるんだろう?」って まいど まあね。本公演とかでも若手の人たちにはこれまで役がつかなかったりで、本当に一緒に芝居したこと無いんですよね 大森 だから最初、全然分からなくて。……A組なんてもう余裕でしょ? 自主稽古なんかしないでしょ? まいど それ逆だって。「向こうは新鮮な芝居してくるのに俺たちが馴れ合った芝居で返していいのか?」みたいなプレッシャーが……ねぇ、小林さん? 小林 そうそうそう(笑)。A組の方が大変よ? ―でも確かに、若手の中で1人頑張る大森さんの方が発見も多いのでは? 大森 確かに可笑しいは可笑しいですよね。やってて「何だ、こいつ?」って思うことはよくありますね ―リアルにツッコミ入れてましたものね(笑) 大森 そうですね(笑)。…山田さんにも言われたんですけど、松兵衛が“ボケ”で覚兵衛は“ツッコミ”ですし。それでまた、京極(圭・B組の松兵衛役)が天然というか、考えも無しにオカシイことをやるので……もうガンガン、ツッコんでますね まいど・小林 いいコンビなんじゃん!(笑) ―でも本当に、稽古を拝見していてとても上手く良い流れを作っている印象を受けました 大森 やっぱり最年長なんである程度引っ張っていかないとねぇ… 小林 引っ張ってるんですね……足を(笑) ―まいどさんも“ツッコミ”の覚兵衛役ですけど、山田さんのまいど豊評は「スマートなボケが持ち味」とか。覚兵衛役で気持ちよくボケられてます? まいど 覚兵衛はそんなに……ボケてないよねぇ? 小林 いやいや、細かくやってますよ 大森 コイツね、本当にやることが細っかいんですよ まいど あ、また批判? 今度はA組批判?(笑) |
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『竜馬の〜』2015年バージョン始動!? |
| ―話を戻すと、「A(B)組には負けない!」という気持ちはそれほどない? 大森 「負けない」というよりも「互いに違うものにはしたい」という気持ちがありますね。「負けない」ということで言えば、お互いの組よりも本公演。「本公演には負けたくない!」っていう思いは強いです。本公演には絶対に負けない、その気持ちを大事にしてやっています まいど それはありますね。何が勝ちなのかは分からないですけど。動員数では絶対に勝てないでしょうし(笑)。でも、観てくれたお客さんに「コレだ!」って思ってもらえたら勝ちかな、って 大森 …実は5年前の“若手公演”でやったときも結構評判は良かったんですよ。役の実年齢が僕たちと近いということもあって「本公演より良かったかも」なんて話も――こんな話、しちゃっていいのかな? 小林 いやもう、しちゃってるじゃん!(笑) まいど 出た! 最後は本公演批判!(爆笑) 大森 …いやいや。――ちなみに今回、僕だけ5年前と役が違うんですよね まいど そうそう。5年前は僕が覚兵衛で、大森さんは松兵衛やってた 小林 そこも今回、面白いところですよね。配役は山田さんがオーディションして決めたんですけど 大森 それで、B組で松兵衛やってる京極は、オーディションは覚兵衛で受けたのに松兵衛になった まいど だから山田さんの中では、B組には何か実験的な要素もあるんじゃない? 大森 うん。何かあるのかもしれませんね まいど …でもね、僕、本公演の稽古見に行ったら山田さんが言うんですよ。「まいどさんの松兵衛が本当は見たいなぁ」って(笑)。じゃあ次は松兵衛やらせてもうらおうかなって思いますよねぇ。何かね、5年前の公演を観たときに僕と大森さんの役がどう見ても反対だって山田さん、感じたらしいんですよ 大森 あ、そんな話してた? へえ〜 まいど 「まいどさんはやっぱりボケなんですよね」って。だから、2015年くらいにひとつちょっとその配役で……山田さんのスケジュール、早めに押さえてもらった方がいいんじゃない?(笑) 大森 いいねぇ。そのときは小林さんは虎蔵役で 小林 ちょっと、なんで私が虎蔵なのよ! まいど あ、山田さんも言ってたな。「小林さんの虎蔵が見たいなぁ」って 小林 うっ!……分かりました。じゃあ、2015年は虎蔵で…(笑) まいど 2015年なら山田さんも空いてるでしょ? 小林 その時には「『竜馬の〜』はもういいよ、飽きた」って言われるかも(笑)。でも、何よりも楽しい芝居なのでみんな食らいついて離さないっていう ―登場人物が4人だけですけど、本当に濃密で楽しい芝居ですね 小林 そうですよね。コメディーだけどしっかりした人間ドラマにもなっていて、そこがまたすごい まいど 本当に。『(ピ―――――――――!!!)』より面白いかも 大森 …えー、話を戻します。 まいど スマートなボケだったのに…… 大森 …それはともかく。――この作品は小屋的にもザ・スズナリくらいの小屋が合ってる感じがするんですよね。山田さんも本当は舞台セットを四畳半くらいにしたいって言ってたし。今、6畳あるんですけどね まいど 何で四畳半にしなかったんだろう? 大森 スペースが余る(笑) 小林 土間だけ広くなってもねぇ(笑) まいど じゃ、2015年は四畳半バージョンで。楽しみだね〜 |
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まいど豊――台本を掘り下げて、それに忠実に |
| ボケとツッコミ、そしてバランスを大事に――大森ヒロシ | ![]() |
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小林美江――人生を切り売りするくらいのつもりで |
| ―最後に、まいどさん、大森さん。それぞれ、どんな覚兵衛にしたいですか? まいど 僕は台本に忠実に覚兵衛をやりたいっていうのが今回、特に強いんです。その台本を、自分がどこまで深く掘り下げられるか…それが覚兵衛の勝負ですね。山田さんと一緒に覚兵衛らしい覚兵衛を探っていって――今はまだですけど、本番までにはしっかり創り上げたいですね 大森 僕は、…昔、別の芝居で三谷幸喜さんとお会いしたときに「“何もやらない可笑しさ”というものがある。それを追求してみたらどうですか?」っていうお話をしてもらったんですよ。それで今回、覚兵衛をやるに当たってその“何もやらない可笑しさ”を模索してみようと思ってたんですけど……稽古をやるうちにどんどん違う方向に(笑)。この本にはボケとツッコミがいっぱい入ってますしね。だからそこをしっかりやったほうが面白いんじゃないですか、って。それでどんどん“何もやらない可笑しさ”とは違う方向にいってます。でも、その中で「それを覚兵衛という人間がやってるから可笑しい」っていうところは追求していきたい。あとは全体のバランスですね。特に松兵衛と一緒に出ることが多いので、そこでの人間関係をお客さんの印象に残るものにできて、「本公演より面白い」って言われるような芝居になればいいですね ―小林さんはどんなおりょうにしたいですか? 小林 私も5年前に一回やってますけど、今回改めて本を読んだ時に、まったく違う本のように読めたんですよ。それは自分がこの5年間でいろんな経験をしてきたからで、その経験によってセリフも違って聞こえてくる。そういうことがよく分かったので―― まいど 何かあったのね… 大森 いろいろね… 小林 うるさい(笑)!――だから、いまの私以上でも以下でもない、等身大の自分。「いま、これが私のすべてです」っていうものを出し切れれば、もう他のことは気にならないですね。他の人がおりょうをどう演じるだとかっていうことは。本当に、人生を切り売りするくらいのつもりで、「私はこういう人生を生きてます!」っていうのをどれだけ出せるか。もう、それだけなんです ―お忙しい中、有り難う御座いました。2015年の『竜馬の〜』も楽しみにしております 小林 はい。……その時は虎蔵ですけど(笑) |
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愉快な中にも秘めた決意――「本公演には負けたくない!」という強い気持ちがとても印象的だった各人のお話。確かな自信を胸に乗り出す挑戦―― ――『竜馬の妻とその夫と愛人』U−40バージョン。 それはきっと“彼らだからこそ面白い”…そんな、本公演とはまた一味違った素敵な舞台になることだろう。 2015年の4畳半バージョンと併せて(?)、どうぞお楽しみに! |
| 2006/1/12 インタビュアー・文責:北原登志喜 撮影・編集:鏡田伸幸 | |
| 稽古場等の大きな画像は、 | |
| 【稽古風景(A組)】↓ | 【稽古風景(B組)】↓ |
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