| もはや初春恒例となった東京国際芸術祭(TIF)が今年も間もなく開幕する。2月10日から始まる《アメリカ現代戯曲&劇作家シリーズVol.1ドラマリーディング》を皮切りに、今年も同芸術祭では“社会に対して演劇が持つチカラ”を問うプログラムが盛りだくさんだ。 内容を簡単に紹介すると、まず目を引くのが今年から始まるプログラム、アメリカ現代戯曲&劇作家シリーズだ。現在、政治情勢のあおりを受けて世界の中で孤立するアメリカのアーティストたち。彼らに敢えて光をあてるところがいかにも同芸術祭らしい。アメリカの劇作家たちはいま、何を考えているのか――2000年以降に書かれた戯曲4作品を手掛かりに読み解く、マスメディアでは伝えられないアメリカの表情、それを日本の気鋭の演出家たちがどう料理するのかなど、興味は尽きない。 また、今年も中東と東欧からそれぞれ作品を招聘している。両者とも政治・社会情勢に不安や摩擦を抱えた地域。そうした“場”に生まれる演劇が宿す“チカラ”は、きっと日本の演劇ファンに新鮮な衝撃を与えてくれることだろう。 更に今年は新たな試みとして、主催者であるNPO法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)が、自身の手によって“日本の演劇”を製作、上演する。ANJが運営する《にしすがも創造舎》をベースに、満を持して放つ2作品にも大いに期待したい。 他にも例年通り、東京以外で活躍する日本の劇団を招くリージョナルシアター・シリーズや、コミュニケーション・プログラム等の交流の場も設けられていて、演劇の在り方を様々な角度から見つめる機会を積極的に提供している。 プログラム全体を通して同芸術祭が発信するのは、「演劇にはもっとチカラがあるはず」という切実な問いかけだ。そうした問いに耳を傾け、真剣に“演劇のこれから”を考えるもよし。余計なことは考えず上質な舞台を素直に楽しむもよし。楽しみ方いろいろの同芸術祭を、是非ともこの機会に体験して欲しい。 (東京国際芸術祭2006年2月10日から3月27日まで) |
| last up date 2006/2/16 | ||||||||||||||||||||||
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