ラフレシア円形劇場祭。
演劇者自らが企画・運営する野外演劇祭である。参加9劇団が共同で劇場を作り(!)、解体し、相互に批評するという。期間にして約3ヶ月。
日本の野外演劇のメッカともいえる大阪においてさえ、前例のない試みである。
最近、相次ぐ劇場閉鎖など暗い話題が多かった大阪小演劇界に、この異様の華・ラフレシアは果たしてどんな芳香を撒き散らすのだろう。
2003年3月12日の取材後記です。
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取材を終えて

 【大阪新撰組】のアトリエを出ると、街の灯は既にまばらになっていた。通りを吹き抜ける風は冷たく、稽古の熱気にあてられて火照った顔に、心地良い。
ホテルまで、斎藤さんが車で送ってくださった。
 窓外を流れる夜の街並みをぼんやりと眺めていると、斎藤さんの口から、ほろりと言葉がこぼれ出た。
いやぁ、今日、1番イイ思いをしたのは僕かもしれんなぁ
 他の劇団の進行状況をその目で見て、話を聞き、かなり刺激を受けたようだった。気になって、訊いてみる。
「やっぱり、他の参加団体に対するライバル意識って、ありますか?」
それはもちろんですよっ!
 やるからには、ドコにも負けないものを。斎藤さんが語るその気概に、【楽市楽座】の長山さんの言葉が重なった。「切磋琢磨、ですよ
 ふと、思う。その昔、道頓堀に並んでいた幾つもの芝居小屋。そこに陣を張った人々も、きっと考えていた事だろう。「あの小屋より、オモロイものを!」と。
うちはうち、ヨソはヨソ。そんな自己完結に、表現という場は、ともすれば陥ってしま
う。特に昨今の小演劇にはその傾向を強く感じる。もちろん、自己追求は必要だ。だが、その帰結が「自己満足だけでした」では寂し過ぎる。我々受け手は、貪欲なのだ。もっともっと、楽しませて欲しい。
「よそより面白いモン、見せてやる!」
 横の繋がりが築くラフレシア円形劇場祭。その舞台は、作り手の原初的な情熱を、より目に見える形で煽る。それはきっと、受け手にとっても歓迎すべき装置となるだろう。
 再び窓の外、過ぎ去る大阪の街並みに目を向ける。シーボルトが芝居見物をした街。歌舞伎や浜芝居が賑わったその時代に、しばし想いを馳せる・・・・・・
過去を現在に重ねながら、古代文明の魅力を語った当麻さんの言葉を思い出した。
その時代に生きていた人達も、多分僕らと、それ程違わなかったんじゃないでしょうか
 きっとそうなのだろう。400年前、祝祭劇を楽しんだヨーロッパ人も、道頓堀で歌舞伎見物に興じた船場の旦那衆も、そして現代の、ラフレシアに吸い寄せられる我々も。

祭りの日が、待ち遠しい。

すっかりこの異形の華の匂いに、やられてしまった。そんな感慨を呑み込んで、大阪の夜は、ゆっくりと更けていった。
<了>
2003/3/12 文責:北原登志喜 撮影・編集:鏡田伸幸
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