ラフレシア円形劇場祭。
演劇者自らが企画・運営する野外演劇祭である。参加9劇団が共同で劇場を作り(!)、解体し、相互に批評するという。期間にして約3ヶ月。
日本の野外演劇のメッカともいえる大阪においてさえ、前例のない試みである。
最近、相次ぐ劇場閉鎖など暗い話題が多かった大阪小演劇界に、この異様の華・ラフレシアは果たしてどんな芳香を撒き散らすのだろう。
演劇祭開幕を1ヶ月後に控えた3月中旬の一日、参加9団体中6団体の主宰にお話をうかがった。
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当麻 英始 氏 (大阪新撰組主宰)

再び斎藤さんの車に乗って、天王寺にある【大阪新撰組】のアトリエに向かう。
21時20分、到着。稽古は22時までと聞いていたので、なんとか間に合った。小走りにビルの地下にあるアトリエのドアをくぐると、室内では、既に動きをつけた稽古が行なわれていた。台本が手を離れている役者さんもいる。その進行の早さに、斎藤さんが驚きの声を上げた。
主宰の当麻英始さんのすぐ隣に席を用意してもらって、しばらく稽古を見学する。70年代演劇のテンションの高さ、その継承を標榜する【大阪新撰組】。目の前で繰り広げられる稽古はテンポの良さとスピード感に溢れていて、見ていて楽しい。
時折「OK、OK」と頷く当麻さんの前で、3つのシーンが確認され、22時、稽古が終わった。一息つく当麻さんにお話を伺う。

「やってみたい」だけでは無理

― 今回の企画を聞いて、まずどう思いましたか?

当麻 「・・・考えましたね

野外公演に関しても、今回の企画に関しても興味はあった。けれども、ではすぐに参加を決めたのかといえば、そうでもなかったらしい。

当麻 「やってみたい、っていうだけじゃ無理な話ですからね。例えば他の参加団体は、果たして僕らが一緒に出来るところなのか。そういう事にちゃんと見極めがつくまでは返事はしませんでした。最終的には、劇団のみんなと話し合って、参加を決めました

― 参加してみて、感じた事は?

当麻 「やっぱり、みんな(他団体の)で一緒に作る、という事には意義を感じますね
 
― 野外公演という事での課題、或いは発見は?

当麻 「発声はいつもより上げなければいけませんね。その点は稽古でも気を使っています。舞台が円形、という点については、円形はもちろん初めてなんですけど、半円形は経験があるんです。だから、イメージはし易かったですね

ふんばるしかない

― 大阪の演劇の現状をどう感じてらっしゃいますか?

当麻 「よく言われるように、‘演劇不況’なんでしょうね。お客さんが入らない劇団の公演は本当に入ってないですし。なんとかふんばらないといけませんね

ふんばるしかない、そう言った当麻さんの顔に屈託はなかった。円形劇場祭参加も納得出来るまで保留していたように、‘為すべきを知り、それを為している’という自信が、その泰然とした様子から伝わって来た。

メリットは、‘家族’が自然に出来ること

― 今作は古代文明シリーズ第3弾ですね。

当麻 「ええ。メソポタミア文明、エジプト文明ときて、完結編の今回は黄河文明をモチーフにしています

― なぜ古代文明をモチーフに?

当麻 「古代文明が好きなんです(笑)。でも、皆さん好きでしょう? 例えば古代エジプト展とかが開催されると、普段博物館に行かないような人でも並んで入る。そういう、人を惹きつける何かがありますよね、古代文明には

― 【大阪新撰組】さんは、幅広い年零層の役者さんが参加していますが、その事で感じるメリットは?

当麻 「‘家族’が自然に作れます(笑)

帰り支度を始めている役者さん達を見れば、なるほど組み合わせによっては、無理なく親子に見える程に歳の離れていそうな方々が・・・・・・もっとも、交されている会話は、友達同士のそれだったが。

― 最後に、この演劇祭をどんなお祭りにしたいですか

当麻 「やって良かったな、というお祭りにしたいですね

「やってみたい」だけではなく、結果を大事にする当麻さんらしいお答えだった。そしてそれは、今日お話を伺った皆さんに共通の想いでもあった。
「なんとしても成功を!」
この意気込みが、ラフレシアという特異な華を鮮やかに咲かせる日。その日を胸躍らせて待ちたいと思う。
2003/3/12 文責・インタビュアー:北原登志喜 撮影・編集:鏡田伸幸
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