名古屋学生演劇界の発展に寄与することを目的に結成された「名古屋学生劇団協会(NGK)」。そのプロデュース公演も今回で2度目を迎える。
今回のテーマはズバリ「地域性」だという。そこに秘められた意図とは?
名古屋・関西でオーディション行い集められた役者を指揮するのは、作・演出 デス電所代表の竹内佑氏。
その竹内祐氏へのインタビューをはじめ、市川幸代氏・小山裕紀恵氏(両名役者)へのインタビュー、そしてNGKプロデュースvol.2学生劇団合同公演「彼女の愛した百鬼夜行」の稽古風景をお届けする。
BACK STAGE REPORT 〜report no.12 名古屋【NGK】【ス電所代表 竹内佑インタビュー】〜
者 インタビュー古 REPORT
内 佑 氏
(デス電所 代表)
演劇練習館アクテノン、その2階大練習室が、本日のNGKの稽古場。その練習室に、稽古開始より一足早く入れて頂いて、作 / 演出の竹内佑さんにお話を伺う。
初めてお会いした竹内さん、そのTシャツの胸には「○殺」の文字が……。どんな恐い方なのだろうと腰が引けつつ挨拶すると、とても気さくに、かつ楽しく応じて下さった。内心「ほっ」としつつ、インタビュー開始、である。
のままテーマにしたら面白いだろう、と
―最初に、今回の企画に参加することになった経緯からお聞かせ下さい

経緯ですか? 経緯……憶えてないですねぇ(笑)。なんか、「そういう話がある」みたいなことを制作から聞いて、じゃあ一度会ってみようか、みたいなところからかな?

―話を聞いて、どう思いました?

面白いと思いましたね。名古屋の演劇状況って僕はよく知らなかったんですけど、ちょこちょこと耳に入る情報だけで判断すると、そんなに盛り上がっていないようで……。で、「それは何故だろう」って思った時に、それをそのままテーマにしたら面白いだろうな、と思いまして

―そこから『758窒息』という(笑)

そう、そう。『名古屋(758)窒息』っていうタイトルにしようと思って。……あの、名古屋の人で好い人に出会ったことが無いっていう(笑)……そこをちょっと一回立ち止まって考えてみよう、何故だろう?っていう。それ以外には特にアイデアも思いつかないや、って
、これは楽だ
―そうして、学生中心の舞台の作 / 演出をお引き受けになった。実際に関わってみて、どう感じました?

役者が学生なんで、もっとこう「大変なことになるかな」と思ってたら……意外とそうでもなかったですね。あの、みんな、すごい真面目なんで。自分のトコの劇団では無いことなんですけど、ダメ出しを1回したら、2回目のときはそれがちゃんと通っている、とか

―え? ご自身の劇団ではそれは無い?

あ、もう、絶対無いですね(笑)。5、6回は同じこと言いますからね。もうね、すぐ忘れるんですよ。だから今回は「あ、これは楽だ」と思って(笑)。そこが驚きであり発見でしたね

―スタッフも学生中心ですが、その点ではどうでしょう?

スタッフワークに関しては、まだ直接関わっていないので分からないですね。
例えば「これで行きたいと思います」みたいに言ってきて貰って、初めて僕、関わるつもりなんです。「わかりました。じゃあ、それで」とか「いや、それはちょっとどうだろう」みたいに。向こうが投げかけてきたら、ですね。まだそんなに投げかけられてない


―3月1日からは、もうずっと稽古場に入られるとか

はい。実は今も名古屋におるんですけど、2月は行ったり来たりを繰り返してたんですね。でも、はい、3月はもう丸々……ただ、あの、実は最初、3月は週7回稽古が入ってたんですよ。「そ、それはどうなの?!」って(笑)。それはいかがなものかと思いまして、火曜は休みにしましたけど
古屋の人ってプライドが高いんですよ
―今回の企画は『名古屋窒息』というボツタイトルからも伺えるように、地域性をテーマにしていますね。竹内さんが感じる名古屋の地域性って、どういうものなんでしょう?

僕が感じること、ですよね。……まぁ、あれですよね、オープンではないですよね

―それは大阪に出られて余計に感じた?

そうですね。大阪の大学に行って、そこには全国から人が来てますよね。そんな中でやっぱり名古屋の人って、僕も含めて、なんかオープンじゃないなっていうのは感じました。
……多分ねぇ、大したことないプライドが高いんですよ、名古屋の人って(笑)。だから、そこに触れられると、実は大したことないって自分でもちょっと気付いているから、すごく隠したがったり、「そこには触れないで」みたいになって……それで余計にオープンじゃなくなっているんじゃないかな、と。殻に殻を被せる、みたいな


―それは、表現にも表れる?

うん……分かんないですけどね。なんか多分、お芝居って、何でもやっていいはずなのに「これはやっちゃダメだ」みたいな約束事をどっかで勝手に設定してやってる人が多いのかなぁ、と。「これはいけない」とか「こうあるべきだ」みたいなものを前提でやってるので、例えば関西に進出して来たって「面白くない」という評価を受けたりするんですね。「あそこのやってることはどっかと一緒じゃないか」って言われて、それで終わってしまう

―今後、名古屋の演劇にどうなって欲しいとお考えですか?

余計な枠は取っ払って欲しいですね。変なプライドを捨てるところからスタートして欲しいって思います
かしい」と思うこと
―今回の企画ではオーディションを敢行していますね。合否の決め手は?

決め手は、あの……「何で僕、駄目だったんですか?」とか、後から聞かれるんですけど……駄目な所なんて無いんですよね、別に。まだみんな若いですし、演技の質がどうのなんて自分で勝手に考えてくれりゃいいわけであって、こっちが「いや、君の演技はね」なんて言う気は毛頭無くって。あの、僕にとって必要だと思ったから、「こいついいな」って思ったから合格って、それだけなんですよ。だから、落ちた人は落ちた人でなんら恥じることは無いし、受かった人も受かった人で、なんら誇ることもないんで(笑)……ほんとに、それだけです

―名古屋と大阪の学生が集まっての企画ですけど、その両者に違いは感じますか?

感じますね。名古屋の学生さんは、単純に「人前で演技をすることに対する恥かしさ」がまだ大部分を占めている。もちろん「恥かしい」と思うことは良いことなんですよ。恥かしいと思って貰わないと困るんです。ただね、恥かしいなりに人様に見せられるものを模索していくっていうのが上達だと思っているので、それをしなさいよ、っていう。そういう点では大阪の人の方が、なんだろう……「恥かしいことも、思いっきりやれば恥かしくなくなる」っていうのを肌で知ってるんですよね。名古屋の人でそういう人にはまだ出会っていないですね
女が愛した百鬼夜行』
―今作『彼女が愛した百鬼夜行』、これはどんなお話になるのでしょう?

え〜と、まぁ……どんなお話なんでしょう? 戦争がある、戦争がずっとおこっている日本、っていう架空の舞台を使いまして、そこで繰り広げられる人間の成長の話……あの、ちょっと、あんまりね、分からないですね(笑)。あの、テーマは3つくらい盛り込んでいるんですけど

―その3つのテーマとは?

細かく分けて3つなんですけど、地域性のことと、人を許すということ、それとアイデンティティの確立、ということ。全部ひっくるめたら絶対一つに繋がることなんですけどね。で、最終的に言いたい事としては……「名古屋だから、僕たちは」みたいなことはもう言わなくていいんじゃない? っていうことですね(笑)
……僕、大阪で演劇やってて、いろんな演劇の人と喋ったり、他の劇団の人と話したりしますよね。そうやって喋っている限りでは、僕が言ったような「地域性に拠ったおかしなプライドがあなたの表現をつまらなくしているのよ」みたいなことは、もう多分、向こうの人達は分かってはるんですよ。だから「竹内君、なんであのテーマなの?」とか言われたら「ごめんなさい」と言うしかないんですけどね(笑)


―音楽がオリジナルですね

はい。うちの劇団(デス電所)は毎回音楽をオリジナルでやってるんですけど、それを作っている男が、今回の音楽も作ることになってます。……実は、台本が完成した時に真っ先に渡しといたんですよ。「早く作ってね」って言って。そうしたら一昨日くらいになってやっと「いやぁ、台本面白かったよ」なんてメールが入ってた(笑)。「遅っそ〜、こいつ!」みたいな(笑)

―宣伝美術はアマノテンガイ氏。チラシを拝見して「凄い!」と思いましたが

はい、あれ、スゴイですね。あれはもう超えられない(笑)。……アレを超えよう、もしくはアレを体現しようとしたら、多分、単純に、演出がどんどん【少年王者舘】っぽくなってくると思うんですよ。ものスッゴイ短い暗転使ったりとか(笑)。そういうのは僕、ちょっとやったことが無いので……もう普通にファンとして大満足、という
通整理、楽しいですよ
―演出面で、どんなことに気を使ってらっしゃいます?

稽古場の雰囲気が悪くならないように、っていう所に一番気を使っていますね。基本的に学生さんって、まだまだ自主性であるとか責任感であるとかが希薄な方が多いなと思っているので、稽古場の雰囲気が悪くなったら、あの……来なくなっちゃうんじゃないか、っていう(笑)。だから、その部分で頑張ってます

―演技に関しては?

演技は……みんな、ある程度達者なんですよ。ただ、やり方、演技の仕方を知らないだけで。それを理解してやって貰ったら、すごい上手にやるんです。だから僕としては、演技の仕方を教えてあげている、っていうくらいですね。「もっとこうして下さい」みたいなのは、もうちょっと演技が出来てきた人に対して言うことであって、まだそれ以前の段階の人に対しては「演技ってこうするんだよ」って。それを解ってくれたら次にいくっていう。だから僕は演出をしているつもりはあんまり無いんですよ。交通整理をしているだけ、みたいな。役者が自分で考えて動いてやってくれたものを、「その方法はこうした方がいい」とか「それだと何言ってるか分からないから、こうやって喋ってごらん」とか言うだけですね

―「交通整理だけ」と言っても、大所帯だし、大変じゃないですか? 

あの、いっぱい出てるシーンだと大変ですね、はい。でも、楽しいっすよ、交通整理。思いもよらない車が通ったりしますからね(笑)。「うわぁ、スゴイ!」みたいな。「もう1回、お願い!」みたいな。あと、事故も起こりますし。「あ、事故ったぁぁ!!」みたいな。嬉しいハプニングが色々あります
やかしに来てください(笑)
―言葉についてお聞きします。劇中で、名古屋の学生さんは名古屋弁、大阪の学生さんは大阪弁で話すのですか?

実はそこがややこしいことになってまして(笑)……。お芝居中で、名古屋の地方と大阪の地方と東京の地方っていうのを大雑把に分けてて、そこの地方の登場人物が出てくるんですけど……大阪の人は多分、大阪の人の役をやるんだろうなぁと、最初は思っていたんですね。でも実際はというと、大阪の人が名古屋の人の役になったり、名古屋の人が大阪の人の役になったり……あの、みなさん、その辺で方言に大変苦労してらっしゃいます(笑)。大阪の人が名古屋弁で喋ったり、名古屋の人が大阪弁話したり……なんか、すわりが悪いんですよね(笑)

―では最後に、今作、NGKプロデュースvol.2『彼女が愛した百鬼夜行』にかける意気込み、抱負、もしくは宣伝を!

宣伝……一番苦手なんですよねぇ(笑)。まぁ、その、あんまり名古屋には無いタイプの演劇を今、作っていっているらしいので(笑)、ぜひ名古屋の皆さんに観に来て頂きたいですね。大阪公演にしても、大阪の方でこういう企画、言うたら「自主的な集団」がやってるっていうのはあんまり無いんで、その辺を楽しんで観に来てくれたらと思います。竹内佑がやるとか、名古屋発とか、珍しい状況ではありますし……冷やかしに来て下さい、っていう(笑)

―ちなみに、【デス電所】としては今後の予定は?

団体のみの行動で言いますと、第11回公演『ちょっちゅ念』を6月に東京は下北沢駅前劇場で、7月に兵庫の伊丹アイホールでやります。そちらも是非、いらして下さいね(詳しくはデス電所HPへ)
(文中、一部敬称略)
2004/2/28 文責・インタビュアー:北原登志喜 撮影・編集:鏡田伸幸

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