BACK STAGE REPORT〜【LIVES】【大浜直樹インタビュー】〜
今回、まず驚いたのが、稽古場での大浜さんの表情&語調。実に穏やかで、前回稽古場にお邪魔した時の‘千本ノック中の鬼コーチ’風とはまったく違う。
もっとも、視線の厳しさ、要求の高さは変わらない。あくまで、雰囲気の違い。これがプロデュース公演ゆえに大浜さんが選んだやり方なのかもしれない。
そうした部分も含め、今作への意気込みなどを大浜さんに詳細に語ってもらった。

浜直樹 氏(【LIVES】代表)
広島県出身。1999年にLIVESを立ち上げる。
以降、LIVES作品全ての作/演出を受け持つ傍ら、漫画の原作なども手がける。
A型らしい緻密さと、愛に満ちた視点で人生の一コマを切り取るその作風は根強いファンを持つ。
ね、生まれ変わったんです
―今作『RESTAURANTたぶち』。3年ぶりの長編ですね。どんなお話しなんでしょう?

え〜と…レストランを舞台にしたコメディーです。…って、僕ね、本当に下手なんですよ、説明するの(笑)

―今回は長編で、しかも役者さんが17人も出演します。普段の『単独ライヴ』とは作り方も当然変わってくると思うのですが、稽古で気をつけていることは?

…正直に言いますと、「感情を爆発させないこと」ですね(笑)。
皆さん、これまでやってきたことが違うんで、僕がいきなり色々言ったって分かりっこない。これはどっちが良い・悪いという話ではなく、ね。
だから、12月中は初めて一緒にやる役者さん達がどういう芝居をされるのか、それを見ることに徹しましたね


―…爆発を抑えつつ、ですね。確かに稽古を拝見していても、大浜さん自身とても穏やかですし、稽古場に笑いも絶えないですし……でも、内心は?

いやいやいや(笑)。……僕はね、生まれ変わったんです。意識してではなく、もう、ナチュラルに丸くなってきました(笑)
囲気の良い稽古場、勉強になります
―大勢の役者さんを前にして、大変に思うことは?

それぞれ演技が違う、ということが一番ですね。一つの舞台上でみんなが違う演技をする、それじゃあ駄目でしょう。例えば舞台に8人いて、8人が8通りの演技をしたらもう、世界観も何もなくなってしまう。だから演技を統一していくわけですけど、その部分が大変です

―役者さん達の反応は? 「大浜さんは怖い」なんていう話も一部、伝わっていたようですが…

いや、結構知らない人もいるみたいですよ。…だから隠し通します。「僕は優しい」ってずっと思っててもらいます(笑)

―この人数でも、最初から稽古場は上手く動いていた?

そうですね。最初から上手くまわっていて、そういう意味では、稽古場の雰囲気は良いですね。
…僕、今まで「雰囲気なんてクソ食らえ!」って思ってて(笑)。「稽古場なんてピリピリしてりゃあエエんじゃ!」って。…そういう点でも勉強になってますね、「僕が間違っていた」と(笑)。
だから、これでどこまで行けるか分からないですけど、行けるところまでは行きたい。
…やっぱり緊張感に欠けるポカは出ますから、そういう時に‘イラっ!’とはしますけど、それはまぁ、一回注意して直してくれればいいことですからね
然演出家っぽくない、って言われます
―前回のインタビューの時、『ROPPONGI NIGHTS(前回プロデュース長編・’02)』で上手くできなかったところのリベンジをしたい、という話もしていましたね。リベンジの手応えは?

…うん、ボチボチ。いや、リベンジはしますよ。手応えに関しては、正直まだ探りながらですけど。やっぱり前回と同じような壁にもぶつかりますし

―その「壁」というのは?

時間的なものと言うか……前回のプロデュース公演でも本番までに1ヶ月半くらいの稽古期間はとっていたんですけど、世界観だとかを完全に理解してもらって、方法論を詰めるというまでには至らなかった。長編ということもあって、役者も硬くなってましたしね。全てを理解していれば、役者さんも伸び伸びできる。その空間の中で、思い切って芝居をしてもらえる。そう思うんで、今回はそこまで辿り着きたい。今回も時間はあんまり無いんですけど、「同じことは繰り返せないぞ」と。それこそがリベンジなんです

―そういう部分で、やり方も変えていますか? 制作の大田さんは「LIVESメンバーだけの稽古と比べて、今回の大浜さんはとても丁寧に説明する」と言ってましたが、それも意識して?

いや、あんまり意識はしていないですね。むしろ、他の演出家さんを知っている一部の役者さんからは、僕は「言葉数が少ない」って言われてますし(笑)。「全然演出家っぽくない」「役者っぽい」って。説明する前にもう、実際にやってみせてしまいますから。
演出家によっては、きっちりきっちり、すごく丁寧に説明する方もいますけど……僕、面倒臭くなるんですよ(笑)。説明してる自分がワケ分からなくなる。で、「もういいわ、やってみせる!」って
にかく楽しい舞台に、絶対します
―多人数でやる。大変さと同時に、面白さもあると思いますが?

はい、面白いですね。それはもう本当に楽しいですよ。
例えば、【LIVES】ではいつも男ばっかりでやっていますよね。だから女優さんを演出する機会が少ない。で、実際にやってみると、やっぱりよく言われているように、女性のほうが感性が豊かだったり。そういう部分もやっていて見えてきて楽しいですね。
ただ、女優さんにも、つい‘ガーっ!’って言ってしまうことがあって、そうすると…引かれたり(笑)。だから、そういうところで気は使いますね。キツくならないように。勿論、人によっては厳しく言っても全然大丈夫なんですけど、それも探り探り。男にはそんな気は使いませんけどね。本当に男と女で違うから、言い方から変えていかないと駄目ですね


―今後もプロデュースの長編をやっていきたいと思いますか?

思います。というか、実は6月にもプロデュース公演をやるんですよ。これはもう劇場も決まっています。更に、12月にもやるつもりです。こちらはまだ劇場は決まってませんけど

―『単独ライヴ』の方は?

今年はまだ予定がありません。…もうね、『単独』はやらない!【LIVES】は解散っ!!
……というのは冗談ですけど(笑)、ただ、当面『単独ライヴ』の予定がないのは本当です。今年はプロデュース公演をやっていきたいと考えています


―それが今、一番やりたいことなんだ、と

はい、そうですね

―今回のプロデュース公演『RESTAURANTたぶち』。どんな舞台にしたいですか?

前回と同じこと言いますけど(笑)……楽しい舞台に、とにかく楽しい舞台に絶対します。もう、本当にそれだけですね

―見どころは?

見どころっ! 見どころですかぁ……僕、本っ当にそういうの、ダメなんですよ(笑)。
自分のことの説明がまったくできない。
……相談なんですけど、どうしたらそういうのって上手く説明できるようになるんでしょう(笑)
つかは映画も…
―【LIVES】自身のことも少し聞かせて下さい。2年前にメンバーの入れ替えがありましたね。新メンバーの大城力さんが加わって…

最初はやっぱり戸惑いがありましたね。本当にイチからですから。特に【LIVES】は少人数でしょう。他の3人が長年一緒にやってきてますんで、もう、ものすっごい浮いてしまうんですよ

―そんな中で、すでに『単独ライヴ』を3回行っています。大城さんはもとよりですが、他のメンバーには演技の質に変化は見られましたか?

それはありましたね、良い方に。演技に幅ができますよね。今回のことにしても、長編やったり、色々な人とやることでも、幅は絶対に広がると思うんですよ。それを期待してもいますしね

―確かに、今回の稽古でも【LIVES】メンバーの石橋さん・登守さんの落ち着きぶりは、傍から見ていても頼もしく感じました

……余裕、なんですかねぇ。あんまり自分達に矛先がまわって来ないから(笑)

―最後に…今年は【LIVES】としてはプロデュース公演を続けていくわけですが、その先、何か「やりたい」と考えていることがあれば教えて下さい

これも前回と全然変わってないんですけど……お金を貯めて、いつかは映画を撮りたいですねぇ
今作の見どころを敢えて語らなかった大浜さん。その照れた笑いの裏には‘全編見どころ’の自負が読み取れる。【LIVES】のショートコントをご覧になった方ならご存知の、あの作り込みの徹底ぶり。それをそのまま長編に持ち込み、更にはそこに17人もの役者の密度まで加えるのだから、どこを切っても楽しめる舞台になることは間違いない。
新しいことに向けて動き出した2005年の【LIVES】。長いアイドリングを経て、ついにギアを叩き込まんとする、そんな感のある今年の【LIVES】に、要注目だ!
―ちなみに、新メンバーの大城さんって、本当に糖尿なんですか?

(笑)……どうもね、又聞きなんですけどね。本人にはまだ確かめてませんけど。
確実なのは、痛風だってことです(笑)。これは本人から聞きましたから


―結構な爆弾を抱え込みましたね(笑)

本当に(…苦笑)
(文中、一部敬称略)
2005/1/8 文責・インタビュアー:北原登志喜 撮影・編集:鏡田伸幸

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