〜地域に芽生える思い〜

「ち(地)ら(原)み(海)」
知覧(ちらん)の語源である。
本土最南端に近い鹿児島県知覧町。さすような陽のもとに降り立ったそこは、反射する海の光が照らす、深緑の大地であった。
その知覧町で活動をおこなっている【劇団いぶき】。

『この町でこの町の芝居を創り続けていくことが、「劇団いぶき」のシンプルでありながらとても難しい挑戦なのだと考えている。』(劇団HPより)

今回のBACK STAGE REPORTでは、【劇団いぶき】主要メンバーへのインタビュー、そして【劇団いぶき】をはぐくんだ知覧町の紹介をお届けする。
知覧の風はどんな風か?知覧の大地の鼓動はどんな音だろうか?そこから芽生える「思い」とは……?

last up date 2004/10/28
材レポート
知覧町REPORT(2004/8/22)
知覧町REPORT(・特攻平和会館・武家屋敷)
インタビュー(2004/8/22)
・代表 宮原俊郎氏
・舞台監督 平木場幸 氏
・脚本・演出 朝隈克博 氏
・音楽 田中祥弘 氏

REPORT1】【REPORT2
[僕らのターゲットはこの町、この町に住んでいる人]
鹿児島取材について
九州の最南端に位置する鹿児島。眼前に広がる深緑の風景。その色は、広大な空からの強い陽の光と反射する海の光を受け、なお一層深みのある緑を輝やかせていた。
鹿児島の県民性として「強い郷土ナショナリズム」がしばしば上げられる。それは、大いなる光が培い根付かせたこの深緑のように、揺るぎない何かがこの地にあることを物語ってもいる。
総務省統計局『日本統計年間2003』によれば、鹿児島県は社会奉仕活動の年間行動者率が37.5%と全国3位だそうだ。この数字もまた、地域と、そこに住む人々の繋がりがいかに強いかを表している。そんな鹿児島において、はじめは青年団の演劇部として、のちには市民劇団として、【劇団いぶき】は27年にも及ぶ活動を続けてきた。
演劇活動において大事なことの一つに、「作品を誰に観せるのか」というのがある。これは活動の基本であり、前提でもある。【劇団いぶき】はその基本を「地域で生きている私たちが、地域で生きている人たちのための芝居を創作する」としている。このあまりにもシンプルで力強い決意表明に、演劇活動の根っこを改めて考えさせられた。
東京にいると時に見えづらくなってしまうそうした「根っこ」。それをここ、鹿児島ではっきりと確認することができたように思う。それは、さすような陽射しが照らし出してくれたものかもしれない。


団いぶきについて
『市民劇団として』
昭和52年、知覧町連合青年団内の演劇部として発足する。【劇団いぶき】という名前は当時からのもの。その後、平成6年に青年団の枠を超え「地域で生きている私たちが、地域で生きている人たちのための芝居を創作する」という信条のもと、「市民劇団」として再出発する。

『地域性の重視』
地域に創作の題材を求めて芝居を創り、地域の人々に観てもらう活動を続けている。知覧町で、知覧町の芝居を創り続けていくこと。それを彼らは「【劇団いぶき】の挑戦」と語る。

『すべてを創作する』
「観客である地域住民の生活観の中で共感される作品」づくりのため、借りものの戯曲や音楽に頼らず、挿入曲まで含めた完全オリジナル作品を創作している。楽曲の演奏まで自前、というこだわりよう。

【劇団いぶき】HPへ
ム!』について
「ナム」とは南無阿弥陀仏の「南無」である。鹿児島というとかつては薩摩藩の一向宗(浄土真宗)を禁じる政策のもとに、一向信徒が厳しい弾圧を受けた時代があった。その弾圧に負けず、信仰を捨てなかった人々が残した「かくれ念仏」の史跡や逸話は、知覧町にも多く残されている。『ナム!』は、そんな隠れ念仏の創作劇に取り組む住職と、この世に未練を残す老婆の幽霊と、生きることに絶望した女性の三人が織りなす、ちょっとせつないコメディだ。「コミュニケーションの断絶」という地域社会にとって深刻なテーマもとりこみながら、ダンスやコーラス部の歌を交えて軽快に、にぎやかに展開する舞台は、地元の人はもちろん、そうでない人が見てもとても楽しいものに仕上がっている。

ストーリー
舞台は、ある老婆の葬式のシーンで幕をあける。その式で経をあげた住職が寺に帰ると、そこにはたったいま自分が成仏させたはずの老婆が幽霊となって待っていた。慌てる住職をよそに、老婆は語る。「自分が生きた証をこの世に残していきたい」と。
折りしもこの住職、町の若者と芝居の公演を企画中。その話を聞いた老婆が自分もその芝居に出たいと言いだしたから、さぁ大変! 住職の引き止めもむなしく、老婆はどこから調達したのか、若い女性の体を乗っ取ってきて……

2003年2月【劇団いぶき】『ナム!』公演記録の感想。


BACK

Questions?Problems?Suggestions?Contact backstage@land-navi.com
BACK STAGE【SideA】 Since 1999/09/01.2000/10/01.Presented by LAND−NAVI
Copyright (C) 2004 LAND-NAVI .All Rights Reserved.