【詩森ろば インタビュー】
その先へ――
《TOKYOSCAPE》のこと
 最後に、詩森さんがフェスティバル・ディレクターを務める《TOKYOSCAPE》についても聞いてみた。《TOKYOSCAPE》とは、今年の7月中旬より京都で本格開催される演劇イベント。その一部はプレ・イベントとしてすでに昨年末より始動している。参加するのは東京の小劇場の第一線で活躍する6カンパニー。東京でも彼らの公演をいちどきに観られる機会はちょっと無い。そんな、東京モンにはうらやましいイベント、今から楽しみにしている京都の演劇ファンも多いのでは?

―《TOKYOSCAPE》についても少しだけ。前回お話を聞いたとき、「あまり外に出ることに積極的じゃないカンパニー」とおっしゃてたのが、いきなりフェスティバル・ディレクターですね

 本当に成り行きでやることになって。と言っても、もともと私が持ちかけた企画なので頑張らなくちゃいけないんですけど。京都とやるのが面白いだろうと思って、京都とご縁が出来て、「京都ならやりたい」って仲間も集まって、6劇団でやるという風に話しが進んで行って。
 でも、去年名古屋に参りまして、京都で《SHOWCASE》もやりまして、やっぱり一度やってみると外に出て行くことの意味をものすごく感じたんですね。やっぱり自分たちを相対化できるし、カンパニーとしての基盤、カンパニーとしての磁力みたいなものも固まるものなんだってことが分かりました。もちろん問題もいろいろ起こるので良いことばかりではないですけど、起こってしまった問題も含めて面白い体験なので、これからは徐々に、外に出て行って新しい観客と出会うということもやっていきたいんです。
 とにかく、《TOKYOSCAPE》を始めてしまった責任として、やりっぱなしで「良い経験になりました。終わり。」ではなくて、この経験の蓄積を次に活かして、演劇の活性化といったものに還元していかないと駄目だって思っています。…そんな責任ある仕事を、ついうっかり始めてしまいました(笑)


―もともと京都がとてもお好きだとか

 もう大好きですね。やっぱり文化の中心地で、私たちには敵わない、本当に深い文化があるので、その場所で、小劇場演劇という比較的新しい文化をやるっていうのが面白いですね

―フェスティバル・ディレクターとして、その《TOKYOSCAPE》への抱負も一言

 もう本当にバラエティーに富んでいて、作品の質としては私自身とても信頼している6カンパニーで参りますので、内容については実はあんまり心配していないんですね。…制作面ではものすごく心配なんですけど(笑)。だから是非、多くの方に観て頂きたいですね。ただ“行ってやる”じゃなくて、人と人が有機的な交流を結ぶことこそがやはり演劇の可能性だし、素晴らしいところだと思うので、それを成し得るフェスティバルにしたいと思ってます。そこに何かしらの人と人のつながり、コミュニケーションが生まれるフェスティバルにしたいですね
昨年より新たな局面へと向けて動き出した感のある【風琴工房】。

今後、ますます目が離せないカンパニーとして、演劇を観る驚きと喜びを演劇ファンの前に重ねて示してくれることだろう。

7月の《TOKYOSCAPE》も気になるところだが、まずは4月の下北沢ザ・スズナリだ。

時代を超えて、一人の雪氷学者の魂が投げかける光の物語――『砂漠の音階』。

半欠けの結晶の上で描かれる、ものを作る喜び、そこに宿る希望に触れて欲しい。

2006/3/12 文責・インタビュアー:北原 登志喜 撮影・編集:鏡田伸幸
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