【詩森ろば インタビュー】
人は美しく
     生きられる
 可能性を
      持っている
―ちょっと作劇のことについても聞かせて下さい。稽古を拝見していて詩森さんは作と演出を見事に切り離している印象を受けましたが、戯曲を書くときに演出のことを考えます?

 あのね、わりと何も考えてないんです。ある時期から特にそこ(作と演出)は繋げなくしましたね。どうしても作/演出となると“答えを握っている人”っていうイメージになりかねない。だからもうここ5年くらいは、演出するときは俳優たちとともに、一緒に発見していくというスタンスを強固に取るようにしてますね。そうするとね、実際、いろいろなことを発見するんですよ。だから、もちろん私は演出家ですから稽古場に準備はして臨むけれども、稽古場では「この世界の事は私も何も知らないから、今日、これから一緒に発見していこう」っていう風に思ってますね

―それだけ、俳優に対する期待も大きい

 それはもうね、俳優に対する期待はものすごい激しいと思います。私が古い世代の演劇人だからかもしれないけど、演劇の喜びは俳優を見る喜びだと信じているので。もちろん作品の内容も当然ありますけど、なぜ映画じゃなくて絵画じゃなくて小説じゃなくて演劇なのかといったら、それは俳優を見る喜びなんだと思うんですよね。私が観るときもそこを見たいですし。でもそれだけに、期待度が高いだけに、俳優さんは大変だと思います

―今回、研究室を舞台にした一幕ものですよね。詩森さんにとってこういう手法は?

過去にもありますけども、1時間20分くらいまでだと思うんですね。1時間半を超すもので一幕ものを書くのは初めてです。……もう、大変でした(笑)。分かってはいたんですけど、書いても書いても終わらないっていう。面白かったですけど、やっぱり一幕ものは大変だと思いましたね。一日の話ですから事件が起きているところだけちょいちょい、というわけにもいきませんし

―今作『砂漠の音階』、観客にはどんなところを楽しんで欲しい?

 私が本当に、中谷先生に恥ずかしいくらい夢中になってしまって、本当に素敵だと思って書いたので、その気持ちが伝わるものになればいいなって思いますね。
 そして、“美しく生きる”っていうことが可能性として私たちにはあるっていうことを私も学んだし、観て下さるお客様にも感じて頂ければと思います。そうじゃない人生、もっとズタボロだったり暗かったりどうにもならなかったりする人生も私は劇作家なので好きなんです。そういう人生も愛さないと劇作家はできませんから。でも、そうしたものとはまた別に、美しく生きるということが人というものにも可能なのだということを伝えられればいいですね。その先に何を感じるか、それはもちろんお客様の自由です



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