BACK STAGE REPORT 〜劇団ブサイコロジカル。〜ネットが繋ぐ宴と縁〜【宮崎 拓海インタビュー2】
 インターネットのネットワークで培った人脈やスキルを武器に【劇団ブサイコロジカル。】はリアルとの戦いに挑む。
 企画から実践へ……
 稽古の様子や公演について、そして演劇の面白さを演出の視点から、宮崎拓海氏に語ってもらった。
宮崎拓海インタビュー(1)
トライ&エラーの繰り返し
―キャストを一般の方からネットを通して募集されていますが、選考はどのような基準で?

 いや、演技力とかを見るってほど僕も目が肥えている訳ではないので、みんなで和気あいあいとゲームをやりつつ、いろんな能力が見られるというようなワークショップ形式をとったんですよ。そこで一番見たかったのは、コミュニケーション能力です。やっぱり、一緒に作っていく、人間と人間の作りこみなので、コミュニケーション能力を重視しました。それと、意気込みと思い切りの良さっていう部分で選びましたね。

―稽古が始まったのは?

 6月下旬から本読みをやって、7月中旬というすごく早い段階で既に立ち稽古をやっているんですよ。でも、初めての子が多いから基本的なことが全然できていなくて、僕もそこから練習しなくちゃいけないということに全然気づいていなくて(笑)。で、基本に戻るんです、そこから。エチュード稽古や発声を始めて……8月いっぱいは全部エチュードでしたね

―現時点(10月1日)の完成度は?

 20%ぐらい…ですかね(笑)
そして、リアルへ・・・
―稽古を見ていて、劇団として、とても雰囲気がいいと感じました

 そうですね。最近はすごく和気あいあいと、そして締めるところは締めて出来るようになっています。
 実は9月の上旬にスタッフを集めて、劇団員全員で合宿をしたんです。そこで僕(演出)とキャストの衝突があって、初めてキャスト側の意見や要望を聞いた。衝突したおかげで、パーンとわだかまりが無くなってから、すごくいい関係になりました。僕が演出として出す最終決定に関してはちゃんと受け止めてもらえますし、そこに至るまでの、みんなで試行錯誤しながら考えるときには積極的に意見も出てきています。理想的な稽古状況ですね


―そうして生まれる今作・『極楽島コレクション』。どのような舞台になるのでしょう?

 群像劇です。大きく分けるとコメディになると思うんですけど、馬鹿笑いできる作品というよりも、ちゃんとテーマを持った作品です。
メインの登場人物が9人いるんですけど、それぞれが、本当に違う考え方を持っている。でも、話の中心には共通のものがある。それが“ファッション”です。
 とにかく、登場人物の誰に感情移入しても、それに合わせて違った楽しみ方ができる人間ドラマになると思います


―ちなみに、ストーリーにネット関係の話は絡んでくる?

 ネットとの関連性は無いです。そこは逃げたくなかったんですよ。ネットのネタをやってしまうと、ネットをやっていない人には面白くないでしょう。と言って、ネットのネタを使いつつ広い切り口でやると、今度はネットのネタを楽しみにしてきたネットユーザーが満足できない。だからそこは普通に、スタンダードに……スタンダードじゃないんですけど(笑)
    
―今、改めて宮崎さんが感じる演劇の面白さとは?

 やっぱり、生ということですよね。まだまだ未知数ですけど、たぶん5公演全部違った公演になると思うんですよ。もちろん軸は絶対にブレないんですけど、やっぱり作品は生きているので、その時その時の雰囲気や気持ちで演劇は変わってくる。5公演全部、違った公演になると思います。それが演劇の面白さであり、演劇の醍醐味じゃないかなって思いますね

―最後に、今作を楽しみにしている皆様へメッセージをお願いします

 ネットでなんか胡散臭いことをやっているので(笑)、そういう意味での注目はされると思うんですけど、演劇作りに関してはみんな本当に真剣にあたっています。当日を楽しみにして下さるお客様のために、本当にお金ぶん、それ以上の楽しさを提供できるように全力で取り組んでいますので、ぜひお越し下さい!
 “ネットからリアルへ”を体現すべく指揮をとる【劇団ブサイコロジカル。】の宮崎氏。その顔には、中途半端な「素人」の面影は感じられない。インターネットというネットワークの中で培った人脈とスキル、そしてロジカルにプロジェクトを進めるモチベーションの高さ。まさにプロフェッショナルを思わせる強さが見え隠れした。
 IT劇団としてblogというメディアツールの可能性を示す彼らの功績は、メディア不足にあえぐ演劇界のみならず、様々な業界のモデルケースとしても、注目に値するだろう。
 しかし今はその過程・・・宴の日まで【劇団ブサイコロジカル。】の広げる波紋に期待したい。
2005/10/1 文責・撮影・編集:鏡田伸幸  インタビュアー:浅井貴仁  監修:北原登志喜
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