【埋もれていたものを思い出す】


BACK STAGE REPORT

「インプロモーティブ『月刊即興』」稽古見学コラム


「是非参加して下さい。」
楽しげな口調でメンバーの方に言葉をかけられた。
参加するというのは取材しているインプロの稽古の事を指しており、先ほどまで体を温めたりほぐしたり、リラックスさせたりしていたメンバーが、部屋の中央に集まっている。
そんな流れを頭の中で反芻しながら、戸惑っていた。
この楽しそうな、仲の良いメンバーの中に入る?
先ほどまでの稽古を見ていても、今度の公演に参加するメンバーなのだから信頼関係が蓄積されてるなあと思った矢先である。
見学前に少しお話した中でも「稽古に参加してみませんか?」とお誘い頂いていたのだが、見学を始めると「参加してみようか」という軽い気持ちはふっとんでいたわけで。
しかし、目の前で楽しげに繰り広げられる光景には、興味が湧いてくる。
インプロの説明の時に出た「頭で考えず、自分で感じたものを信じて」という言葉を実践するならば。
この楽しそうな空気の中に入ってみたい。
稽古に参加してみると、相手から貰う"楽しさ"、相手に渡す"楽しさ"がどんどん膨らんでいった。
稽古にはルールがある。
役者として参加するならば、ルールを意識しなければならないだろう。
稽古が進みにつれ、私はルールを意識する事を忘れ夢中になっていった。
何かを思い出す。
枠を作らず上限のない何か・・・。

子供の遊び。
遊び相手を素直に受け入れ、次から次へと楽しさを見つけ続け高めあっていく。
鬼ごっこがいつのまにか影踏みになり、色鬼になり。
ルールの上で、互いに楽しく遊ぶ事が全てだった。
枠があるとすれば、気が付くと遊びすぎて過ぎていた帰宅時間くらいだろう。

それがいつのまにか自分の枠を作り、目標を作り、達成する手段を限定して考えていく。
"みんなで"ではなく、まず自分を意識する事が積み重なり、子供の頃の"楽しさ"を埋めてしまったのだ。
「とっても楽しかったです。」
見学終了後の感想を、自分の中でも確認するように答えた。
"相手を受け入れる"事を自然に行っていた昔を思い出して、それ以上は口を噤んだ。
初めて体験する事ではなく、自分の中に埋もれていただけのもの。
インプロは、日常により近い演劇のフィールドにあるのだろうなと、稽古に参加して感じた。

2003/1/19 文責:菊地奈緒 撮影・編集:鏡田伸幸


インプロモーティブ『月刊即興』
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